2011/12/30

初夢


以前事務所を間借りさせていただいていた中村橋の奥村先生のお宅で毎年行われている餅つき大会に先日参加してきました。帰りに奥様のまことさんから参加者に配られた宝船の絵。
まことさんが毎年工夫を凝らして製作されているものです。
1月2日の夜に、この絵を枕の下に敷いて寝てくださいとのこと。
このブログをご覧になられた皆さんもプリントしてお使いください。元はA5サイズです。


初夢 - Wikipediaより抜粋
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室町時代ごろから、良い夢を見るには、七福神の乗った宝船の絵に「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな)」という回文の歌を書いたものを枕の下に入れて眠ると良いとされている。これでも悪い夢を見た時は、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しを する。
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では、よいお年を。

2011/12/15

高須賀晋原図展

私が好きな建築家の一人で、昨年亡くなられた高須賀晋さんの原図展が12/16から始まる。


高須賀晋原図展
日程 2011年12月16日 ~12月20日
会場 早稲田スコットホールギャラリー 東京都新宿区西早稲田2-3-1早稲田奉仕園 セミナーハウス
問い合わせ 住宅建築編集部 電話:03-3632-3236 ファクス:03-3635-0045
概要
●開館時間は12:00~19:00 (日曜は~18:00、最終日は~17:00)
●内容:建築家・高須賀晋の日本建築学会賞作品賞受賞の「生闘学舎」や「龍雲院白山道場」などの原図を展示。また、写真家・畑亮が撮影した高須賀設計の住宅の写真や高須賀・畑、両氏による『住宅建築』連載の「日本の集落」の写真も展示
●入場料:無料
詳細 公式サイト(クリックすると新しいウィンドウに表示)


以下は私が描いたスケッチ。1997年に三宅島にある生闘学舎を見学する機会に恵まれた。大学の先輩である中村建築・中村武司さんの呼びかけで、日大の深谷先生に引率していただき、若い大工さんや設計者を中心に20名ほどの楽しく熱い船旅だった。


枕木のログは無論圧巻で、ログというよりは組石造のような重厚さである。構造体はもちろん、屋根のトントン葺きから食堂のテーブルまで枕木が使われている。 
深谷先生の話では、高須賀さんは最初枕木をモルタルを敷いて積んでいく組石造で考えていたが、宮下棟梁の主張でダボを入れて積んでいくログ形式で施工することになったとのこと。


スケッチを見返してみると、当時板倉の家を設計していたせいか、特に設備の納め方が気になっていたようである。この建築は壁も天井も枕木だけで、隠して配線できるようなスペースは皆無である。照明はプルスイッチ付きの裸電球で、ひもとローラーを使い、ちょっと離れたところでオン・オフできるという超アナログなアイデア。また、廊下では中央の枕木1本分を配線スペースとして、輪切りにした枕木でフタをしてあるなど、この建築ならではのアイデアが満載であった。

2011/12/08

尾ヶ崎ウイング

Largoを後にして、さぁ気合を入れて東京に向かって出発。渋滞情報などチェックしつつ135号線を突っ走り始めた矢先、藤井さんが「ちょっとここで一服しよう...」


「え!もぉ?」国道脇の展望台である。伊豆七島と白浜海岸が見渡せる気持ちのよいスペースであるが...。
藤井さん「ここも俺が設計したんだよ。言ってなかったっけ。」
そういえばあの案内所の屋根、 Largoの屋根に似てるな...とは感じていた。


この展望台は「尾ヶ崎ウイング」。
ホテルジャパン下田の確認申請で喧々諤々やりあった静岡県の担当者からのご指名で設計することになったとのこと。


最後に帰り道の途中、18年前に学校を卒業して間もない頃の私が設計した城ヶ崎海岸の別荘。
1階がRC、2階が木造の混構造である。伊豆七島が眺められるよう、2階にリビングを持ってきて、南東角の一番いい場所に浴室を配置した。外から観ただけだが、とてもよくメンテナンスされていて、18年経っても全く古さを感じなかった。うれしい限りである。




2011/12/06

Largo ラルゴ

 下田レポートの続きです。帰り道にちょっと立ち寄る隠れ家的なカフェLargo (ラルゴ)。ここも藤井章さんの設計。下田から少し北に行った白浜、国道135号線から白浜小学校に登る坂の途中にひっそり佇んでいます。

  

碁石が浜の家I,IIとまた違って、不正形の平面、屋根で構成されている。


この建築の主役はなんといっても中央に鎮座しているJBLのパラゴンというスピーカー。オーディオ好き、音楽好きにはたまらないスペースとなっている。


不正形な屋根の形はそのまま天井に現れている。この複雑な天井、平行になっていない壁は実は音響を考慮してのデザインである。天井材は藤井さんが好んでよく使う波型スレート。


エントランスを兼ねたデッキテラスからは白浜の海沿いの街を遠望できる。


店名のLargo (ラルゴ)とはN響首席チェロ奏者・藤森亮一氏のソロ・アルバムのタイトルが由来とのこと。

2011/12/01

ホテルジャパン下田

午前中で京都鴨川建築塾の塾生たちは解散。我々も昼食を食べて帰ろうということで、藤井さんおすすめの蕎麦屋に行くことにしたがどこも満員。そこでちょっと贅沢にホテルジャパン下田のレストランで食べようということになった。願ってもいなかったが、急遽ホテルジャパン下田に行けることになったのだ。ホテルジャパン下田は吉村順三設計事務所が手掛けた仕事の中では一番大きな規模のものの一つである。担当は大野寛さんと藤井章さんとのこと。


エントランス~ロビー。ゆったりとした時間が流れている。



和食レストラン「春の海」。「工事中にここから超巨大な島が現れたのが見えたと思ったら米軍のエンタープライズだったよ。」みたいな話を聞きながらサザエ丼をいただいく。


庭に植わっていた河津桜が少し咲き始めていた。右下の庭園灯は特注でデザインされたものである。相当な台数を作って敷地のあちこちに使われていた。


崖の下に洞窟風呂があり本館と秘密の通路でつながっている。


ホテルジャパン下田というとこの開閉式のガラスドームのあるプールの印象が強い。でも思ったより小さくていいスケールのプールであった。